もう仕事なんて辞めてしまいたい!
…そんな時に本人に代わって会社に退職の旨を伝えてくれる「退職代行」サービス。
去年、同棲中の彼が実際に退職代行サービス「SARABA(サラバ)」を利用して退職してしまいました。
結果的には無事退職することができましたが、退職までの一部始終を見ていた第三者として感じたことは
退職代行サービスの利用は慎重に検討してほしい
ということです。
というのも、実際に彼が「懲戒解雇」と「損害賠償請求」をされてしまう可能性があったからです。
ただ、退職の意思をすでに自分から伝えているにもかかわらず、退職を認めてもらえない場合の最終手段としてなら、退職代行の利用はありだと思っています。
そこで今回は、
- 退職代行サービス「SARABA(サラバ)」で退職するまでの流れ
- 利用して感じたSARABAの良い点・悪い点
- 退職代行における「懲戒解雇」と「損害賠償」の危険性について
以上の内容について、体験談を交えつつお伝えしていこうと思います。
Contents
退職代行SARABA(サラバ)ってどんなサービス?
(引用)SARABA(サラバ)
料金 | 2万7千円(追加料金なし) |
---|---|
相談回数 | 無制限(LINEまたは電話) |
対応時間 | 24時間対応可能 |
保証制度 | 退職失敗した場合、全額返金 |
退職代行サービスは、本来なら退職するにあたっての労働者と会社のやりとりを間に入って連絡してくれます。
SARABAの方が会社へ行って直接やりとりするわけではなく、連絡はあくまでも電話での対応でした。
また、退職代行はあくまでも退職の意思を会社に伝えてもらうまでが仕事です。
- 有休休暇消化の交渉
- 退職書類の代理手続き
- 残業代未払いの交渉
以上のような内容も希望すれば会社に伝えてもらうことはできます。
しかし、あくまでも「伝える」のみで弁護士のような強制力はありませんので、希望が通るかは会社次第になります。
もし、残業代未払いの交渉などもお願いしたい場合は弁護士による退職代行をおすすめします。
退職代行サービス申し込み後の流れ
まずはSARABA(サラバ)公式サイトから、LINEか電話で相談→利用を決めたら、前払いで料金を支払います。
料金を支払った後の流れをざっくり書いてみると
- LINEでヒアリングシートが送られてくる
- 記入したシートの内容を元に、SARABAの方が会社に電話連絡
- 連絡した結果を本人に報告
- 必要書類の書き方をLINEでサポート
代行サービス会社によって違うのかもしれませんが、彼が申し込んだSARABA(サラバ)のサービスはこんな感じでした。
退職代行の電話を受けた会社の反応
電話連絡をした後、SARABAを介して返ってきた会社の答えは
- 退職届
- 欠勤届(申し出てから退職までの2週間分)
- 要望書(源泉徴収票や離職票など会社からの必要書類の要望をまとめたもの)
この3つの書類の提出を求められました。
提出は郵送でOKとのこと。
書類の書き方の例が一緒にLINEで送られてきたので、それを参考に書類を準備していきました。
SARABAの回答とは別に、会社から手紙が届く
SARABAの方が電話連絡をした翌日、彼が必要書類を作成している間に会社から手紙が速達で届きました。
- 直接連絡を取ることができないため、手紙で連絡事項をお伝えします
- 退職を希望する旨を引き止めることはない
- 退職の手続きを速やかに進めるために「退職届」が必要
- ○月○日(手紙到着から1週間くらいでした)までに本人が直接出社し、提出が必要
- 期限が過ぎた場合は、会社規定により「懲戒解雇」処分になる恐れがある
- 期限までに引き継ぎ業務の必要があり、引き継ぎがされない事で会社に損害が生じた場合は会社から損害賠償を求める恐れがある
内容を要約するとこんな感じです。
速達で届いたのは、彼が電話は着信拒否していたからかと。
気になったのは、「懲戒解雇」と「損害賠償」の文字。
脅しのように見えるかもしれませんが、会社としてはなんとか本人と直接話がしたかったのではないかと考えています。
というのも、彼は「突然のバックレ→退職代行の利用」という流れをとっていたからです。
彼の会社はいわゆる「ホワイト企業」。
残業もほとんどなく、有休もしっかりつかえるような会社だったのです。
SARABAに会社から届いた手紙をLINEで相談
引き継ぎも必要とのことでしたが、どうにか郵送でのやりとりで退職できないかSARABAに相談します。
すると、
- 直接行く必要はない。
- 損害賠償請求を求められた裁判では、労働者が勝訴だったので安心してもいい
こんな回答が来ました。
ここで第三者の私が気になったことは、
- たとえ勝訴だったとしても、実際に裁判が起きている
- 確かに退職はできるだろうけど、彼に「懲戒解雇」の傷がついてしまうかもしれない
ということです。
実際には、「懲戒解雇」は正当な理由がないとできませんし、「損害賠償請求」も彼一人に仕事の責任があったわけではないので、可能性は低いとは思います。
しかし、わたしも彼も不安になってしまい、結局彼は翌日直接会社に退職届を提出し、その後1時間だけ引き継ぎ業務をし、無事退職することができました。
引き継ぎが1時間だけで済ませられたのは、退職代行を使ったことで引き止められることもなかったんだと思います。
利用して感じたSARABA(サラバ)の率直な感想
第三者ではありますが、退職までの一部始終を見ていて感じたSARABA(サラバ)の良い点・悪い点をまとめていきます。
良かったこと|SARABAは評判通りだった
退職代行の利用を彼が決めてから、私も何社か内容を調べました。
- 他社と比べてコスパが良い
- 対応が早い
事前調べでのSARABAの評判はこんな感じでしたが、まさにその通りでした。
相談はLINEで何度もやり取りをしたのですが、前払いの3万円以降追加料金をとられることはありませんでした。
そして何より、LINEの返事が早かったです。

上の画像は引き継ぎの書類作成について実際に相談した時のLINEでの会話です。
赤丸を見てもらうとわかると思いますが、15時7分に質問送信→15時31分に回答が届いています。
時間帯によって返信の速さは変わるのかもしれませんが、彼が利用した時にはいくら待っても返信が来ないなんてことはありませんでした。
LINEでやり取りができる点も、気軽に質問できて利用者的には有り難かったです。
悪かったこと|あくまでも「伝える」ことが仕事
これはSARABAに限らず、退職代行全般に言えることですが、結局退職の意思を本人に代わって「伝える」ことがサービスの内容です。
例えば万が一、
- 「懲戒解雇」と書かれた離職票が届いた
- 退職後に「損害賠償請求」された
といったことが起こってしまった場合の対応は、SARABAにお願いすることはできません。
その場合、自分で弁護士を雇って会社と争うことになります。
その可能性も少なからずあることを視野にいれて、利用を考えてください。
もし「懲戒解雇」や「損害賠償」のリスクも負いたくない場合は、弁護士による退職代行をおすすめします。
とはいえ、もし退職する会社が「ブラック企業」だった場合、
裁判なんておこしてしまったら、自分の会社のボロが暴かれることになります。
ブラック企業ではなかったとして、損害賠償請求するにも、社員一人に対して弁護士を雇うなどの費用を使ってまで会社が裁判を起こそうとする可能性は低いとは思います。
もちろん自分で直接退職の意思を伝えることがベストですが、どうしてもという方はよく検討して退職代行を利用してください。
利用してわかった退職代行を利用してもいい例・考えてほしい例
「退職代行」を利用してわかったことは、サービスの利用は状況によってよく考えたほうがいいということです。
- 退職届の提出を自分でしても拒否されてしまった場合
- 退職さえできればよく、離職票の退職理由を気にしない場合
- ブラック企業に勤めている場合
何度も自分で退職の申し入れをしても拒否されてしまう人は、第三者を挟むことは有効かもしれません。
- ただ言いづらいという理由だけで最初から利用を考えている場合
- 「懲戒解雇」や「裁判」のリスクを負いたくない場合
今回の彼のように、突然のバックレからの代行サービスの利用は、逆に状況を悪化させるだけだと感じました。
退職代行はあくまで「退職すること」が目的です。
利用することで「懲戒解雇」や「裁判」のリスクに怯えて過ごす危険もあるということも考慮に入れて利用を検討するべきだと思います。
ではでは。